羊と鋼の森(映画)


羊と鋼の森 映画を見てきました!
本当に、良い作品でした。
見終わった後、何も言えなくて…
友人と一緒に行ったんだけど、ため息しか出てこない…友人も「どこから話せばいいのか…」と呟いていました。


とりあえずは「いい作品だったな」というのが前面。

もうね。本を読んだ時の段階で、泣きながら読んでるのに、映画を見ながら泣かないわけがなかったよね。最初から最後まで泣いてた気がします。私今二十代後半なんですけどね、そんな若くもないし、中堅でもない、ふわふわと漂う、社会人としても曖昧なポジション?にいる自分にとって、ガツンと来るものがありました。そう、共感ってやつだと思います。
頑張りたい。一流になりたい。プロになりたい。とは思うけど、そんな一足飛びにはそんな自分になれるわけではない。それを地道に頑張りながら、嬉しいこと辛いことにひたむきに向かい合いながら、私は成長するんだな。と思いました。

泣けるポイントは色々あるけど、セリフが少ないのが印象的。音楽とか、風景とか、間で、心情を演出している。例えば、とある家を訪ねた時に最初は薄暗くて、嫌な空気だったのが、調律をしていくうちに明るくなっていく。つまりは依頼者の心情の変化を表してるわけだけれども、それが本当にわかりやすくて、美しくて、綺麗で、感動で……。
ずっと根暗だった依頼者の振り向いた時の笑顔。人の気持ちの変化がわかりやすくて、御都合主義な展開かもしれないけど、人生は物語よりは、御都合主義。それが。余計にリアルだったな。

あと、セリフに関しては、原作からダイブ削ってありました。恐らく。色々な場面が端折ってあったけど、それが、テーマを一貫させることになっててすごく良かったです。削れてるけど、変に足される所もない。本当に、描きたい所に焦点を当てました!って感じでした。

つまりは、人間の成長?仕事観の変容?彼自身の勝ち?のこと。

私にとっての話だけど、最近見た原作が好きで映画化になったものといえば「君の膵臓をたべたい」あの映画は、映画として独立したものとしてみたならば、恋愛ものとしては良かったし、それなりに泣けた。でも、原作とは違いすぎたし、違うテーマも混ざってるし、新しく足された設定が多すぎたんだよね。だから今回もあんまり期待せんとこーって思ったのがなんだろ。間違いでした。削るとこだけ削って、綺麗に整理されてた。

長くならない内に、最後に。を

タイトルの「羊と鋼の森」羊が叩くフェルトで、鋼が弦。それらが組み合わさったピアノを森と称しているんだな。面白いタイトルだな。すごいな。
と、思ってました。甘かったな。むしろ何故気づかなかった?
森とは単純に、「木」のことなんですね。木が周りにあり、森に育てられた主人公。だからこそ、わかる。気づける。愛せる。木。
ピアノそのもののことを表していて、他の人とは違う、木を愛せる、そんな主人子を表してるんだな。映画をみてやっと気付きました…お恥ずかしい。

ちなみに、過去の読書記録から。
本を読んだ時の感想です

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2016年本屋大賞の作品。
初めは読むつもりはなかったけど、薦められたので読んでみた。読んでよかった。良い話。というより、良い言葉。とてもキレイな文章でした。一人の青年がピアノ調律師を目指して、そこに見た板鳥さんの作った森を目標に頑張っていく。(実際は育った森だけど)多くの人と関わり合いながら、考えを広げながら、成長(大きくなるというより先に太くなるといった)していく。
無欲に、との気持ちと欲深くの間で葛藤というほどに重くはないけれど、うろうろしている様がかっこよく可愛く感じました。
発展していく途上、スタートでおわったので、どういう調律師になるのか、とても楽しみです。
とりあえず一読の価値あり




ほしくずサイダー

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